DXが進まない会社は、ツール不足より"課題の言語化不足"
DXという言葉に疲れている経営者向けに、ツール選定より先にやるべき課題の言語化と、小さく始める進め方を解説します。
DXが止まる会社の共通点
「DXを進めなければ」という意識はある。でも、何から手をつければいいかわからない。気づけば時間だけが過ぎていく。こういった状況に陥っている中小企業は多いです。
DXが止まる会社には、共通したパターンがあります。ツールから入ってしまうことです。
「クラウド化しよう」「AIを導入しよう」という発想で動き始めると、まずツールの比較・検討が始まります。複数のツールを試して、コストを比較して、担当者が調査レポートを作って、会議で検討して……気づけば数ヶ月が経過していて、何も変わっていない、という状況です。
DXが進む会社は、ツールより先に**「どの業務の、何が問題か」を言葉にしている**という共通点があります。課題が明確になれば、必要なツールは自然と絞り込まれます。
課題を言語化する3つの問い
①「誰が、何に、どれくらい時間をかけているか」 時間がかかっている業務を書き出します。感覚ではなく、実際に計測してみると、意外な業務に時間がかかっていることに気づくことがあります。
②「ミスや確認作業が多い業務はどれか」 手作業やExcelでの管理が続いている業務は、ミスが起きやすい場所でもあります。確認作業が頻繁に発生している業務も、改善の余地がある場所です。
③「担当者が変わると回らなくなる業務はどれか」 特定の人しかやり方を知らない業務を書き出します。属人化している業務は、手順を整理してデジタル化することで、リスクを大幅に減らせます。
業務改善テーマの優先順位
課題を書き出したら、どこから手をつけるかを決めます。優先順位をつける基準は次の2つです。
①頻度が高く、時間がかかっている業務 毎日・毎週発生する業務で、かつ時間がかかっているものは、改善効果が大きいです。
②標準化しやすい業務 「誰がやっても同じ結果になる」業務は、デジタル化・自動化がしやすいです。最初は判断が少なく、手順が決まっている業務から着手すると、成功体験を作りやすくなります。
小さく始める進め方
まず1つの業務だけを選ぶ 優先順位をつけた中から、最も改善効果が高そうな業務を1つだけ選びます。複数を同時に進めると、どれも中途半端になります。
無料ツールや既存ツールから始める 新しいシステムを導入する前に、すでに使っているツール(ExcelやGoogleスプレッドシートなど)で改善できないかを確認します。既存ツールの機能を使いこなすだけで、大幅な改善ができるケースがあります。
2〜4週間で効果を確認する 小さく始めたら、2〜4週間後に「時間が減ったか」「ミスが減ったか」を確認します。このサイクルを回すことで、自社に合った改善の進め方が見えてきます。
DXは「デジタル化すること」が目的ではありません。「業務の問題を解決すること」が目的です。まずツールより先に、解決したい課題を言葉にすることから始めてみてください。
どの業務から手をつけるか整理したい方は、業務改善テーマ整理シートをご活用ください。
